研究に対する考え方 Approach to Research
以下は小平の研究や学生の皆さんに対する態度や考えをまとめたものです。
研究とはみなさんの人生にはなかった概念のはずなので、それを説明します。
また、研究や研究室生活に対する価値観は教員によって全く異なる場合が往々にしてあります。
以下の考えが客観的に正しいというわけでは全くないので、自分と合わないと思う場合は読み流してもらえれば良いと思います。
研究とはどういうものか?
研究とは、何か新しいことを⾒つけるか、あるいはまだ調べられていないことを詳しく調べるなど、とにかく過去に他の⼈がやっていないことをやることです。
これが研究と勉強の決定的な違いです。
設定された答えのある問題を解いて、得られた答えを正解と見比べる、ということは研究ではありません。
どのように解決すればいいか明確でない問題について試行錯誤しながら解決策を練っていきます。
そのため、教員の指示の通りに実行したが、得られた結果が事前に予想した結果とは異なる場合も往々にしてあります。
それはむしろ教員からすると喜ばしいことです。
なぜなら、予測できなかった未知の課題や現象を発見した可能性があるからです。
学生の皆さんは、事前に予測していた結果が得られないと、“失敗した、うまくいかなかった”と考えがちですが、それは今までやっていた勉強と同じ考えに基づく評価方法であり、研究の概念に沿っていません。
考え方をアップデートしていく必要があります。
そして、社会にでれば答えのない問題の方が多いです。
社会にでてからは学校で行うような試験はありません。ある課題に対して自分が出した答えをどのように評価すればいいのかすら、誰も教えてくれません。自分で考える必要があります。そのようなトレーニングの一環として研究に取り組んでいただけるとよいと思います。未知で不確定なことに慣れてください。
学生のみなさんの立場からすると、研究テーマを設定する力はほぼ無いのが一般的です。
教員からテーマを与えられます。
テーマを与えられた時点では、内容がよく理解できないと思います。
研究を遂行しながら理解していくような進め方が一般的です。
大学院生になると研究分野のことが多少見えてくると思いますので、自分でこのようにしたいという方向性を示して自分で進めていくのが理想的です。
研究を通して得られる能力、就活
小平の認識では、研究を遂行する過程で開発する能力は以下の能力です。
- 論理的思考力(論理の飛躍なく人に説明ができる能力)
- 説得能力(相手の価値観を理解し、それに沿って自身の主張を説明し、相手を納得させる能力)
- プレゼンテーション能力(人前で話す能力)
- 専門知識(テストの点ではなく、専門知識を人に説明できるまで理解する能力)
最後の専門知識以外は社会にでて働く場合は必須です。
これらは、社会に出る前に、そもそもまず就活で選考を突破するのに必要な能力です。
就活の選考のプロセスでは、なぜ自分を採用すべきかを“説得し、納得”させるために“論理的”に、相手の価値観に沿って“プレゼンテーション”する必要があります。
これらの能力はいままで皆さんが大事にしてきた、学校のテスト勉強をして得点を取る能力とは全く異なるものです。
小平は、いわゆるコミュ力というものは上記の4つの能力+容姿/見た目(清潔感・服装・容姿端麗かどうか)で構成されていると考えています。
研究を行う過程で、これらの能力の醸成を図ることをお勧めします。
特に、大手のメーカーやインフラ等の電電の専門を生かした就職をしたい場合は、研究内容(専門知識)も選考の評価に多かれ少なかれ含まれてくると思いますので、より研究に労力をかけた方が就活に有利に働くと思います。
バイトを頑張った話やサークルをがんばった話よりも、研究でどのように問題解決を図っていったかを説明した方がより具体的で説得力のある話ができると小平は考えていますので、それをおすすめします。
コミュ力については小平のイメージ一番近いものはこれです:
理系就活必勝講座「コミュニケーション能力と論理的思考能力とは?」
生活習慣・研究の進め方
上記の能力を開発するために、研究を進めていきますが、当研究室ではコアタイムがないため、基本的にはいつ何をしていようと自由です。
しかし、みなさんが1年生から3年生の大学生活を通して理解しているように、人間は(私を含め)とても怠惰なものです。
そのため、規律や強制力が働かないと結局何もせずに時間が過ぎ去っていきます。
20代前半のもっとも人生で活力のある貴重な人生の時間をスマホゲーとyoutubeに捧げるのは悲しいです。
そこでお勧めするのが以下の方法です。
1.自分でコアタイムを決めて研究室または作業する場所へ行く
これは自分がやる気が出ないときでもそのようにすることで、効率が悪いながらも研究室で何かしら作業を進めることができるからです。
家にいると気が散ってまったく何も進まないことがよくあります。
研究室では、みなさんが作業がしやすい環境を整えるつもりですが、気が散る場所でなければどこでもよいので、自室以外の場所に決まった時間に行くことをお勧めします。
その時その時のモチベーションに頼らずに習慣に頼りましょう。
また、研究室に来ることで、その場にいる人とコミュニケーションを通じてよい情報が得られることが往々にしてあります。
チャットやメールをするのは手間ですが、その場にいる人に何かの話をしたり、情報をシェアしたりするのは労力が少なく、やりやすいです。
研究のテクニックや就活の話を先輩や教員との雑談から得るのは対面がとても効率がよいと思います。
特に先輩と同じテーマをやっている場合はそのメリットがとても大きいと思います。
研究室は“家から近くてwifiと冷暖房があってカフェよりお金がかからない場所“という感じで利用してもらうことを考えています。
研究室に来たから必ず研究しなければいけないというイメージではなく、とりあえず来て就活のことをやるなり、研究室のメンバーと話すなり、ゲームするなり、という感じで、都合よく研究室のスペースを使ってください。
皆さんが来てリラックスできるように備品をそろえたいと思いますので、要望があればぜひ教えてください。
コーヒーメーカーと観葉植物を研究費で買うことができなかったので、別の資金源を模索中です。
小平へ週報を出す
小平の担当するテーマをやっている方は、Power Pointで2~3枚にまとめた、その週にやったことを毎週金曜の昼12:00に小平へ送ってください。
進まなかった週は「何も進みませんでした」でもよいです。
期限があることで人間作業が進みます。
そのPower Pointを毎週つけ足していく形で研究ノートが増えていくイメージです。
対面で話したい場合は小平へ連絡ください。
小平が話す必要があると思う場合も適宜そのように伝えます。
学会発表について
基本的に全員に研究成果を学会に発表していただきます。
詳しい説明はいつか追記します。
提出期限等のスケジュールは[学会締め切り一覧(2022年度)]にまとまっています。
学会論文の書き方は[学会・論文誌向けの論文の書き方]にまとめています。
What does research mean?
Research is about finding something new, or finding out more about something that hasn't been done before, or doing something that no one else has done in the past. This is the crucial difference between research and study. Solving a problem with a set answer and comparing the obtained answer to the correct answer is not research. We develop solutions through trial and error to problems that are not clear on how to solve them. Therefore, it is often the case that the results obtained are different from the results anticipated in advance, even though they were carried out as instructed by the faculty member. This is rather gratifying from the faculty's point of view. This is because they may have discovered an unknown issue or phenomenon that could not have been predicted. Students tend to think that they "failed" or "did not do well" when they do not get the results they predicted in advance, but this is an evaluation method based on the same thinking as the studies they have been doing, and is not in line with the concept of research. We need to update our thinking. And in society, there are more questions that have no answers. Once you are out in the world, there are no exams like in school. No one will even tell you how to evaluate the answers you give to certain problems. You have to think for yourself. I hope that you will engage in research as part of such training. Get used to the unknown and uncertain. From your perspective as a student, you generally have little or no power to set a research theme. You will be given a theme by a faculty member. When you are given a theme, you may not fully understand the contents. The general approach is to proceed in such a way that you will understand it as you carry out your research. As a graduate student, you will probably have some idea of the research field, so it is ideal to indicate the direction you would like to take and proceed in this way on your own.Competencies gained through research, job hunting
In Kodaira's perception, the abilities to be developed in the process of carrying out research are the following capabilities- Ability to think logically (ability to explain to others without leaps of logic)
- Persuasive ability (ability to understand the values of others, explain one's own arguments accordingly, and convince others)
- Presentation skills (ability to speak in front of others)
- Expertise (not test scores, but the ability to understand specialized knowledge until it can be explained to others)